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に点弧パルス電圧を加えると、各相のサイリスタ素子は順次点弧されるが、交流電源側の相電圧が零に至る時点で電流は流れなくなる。放電用のバイパスダイオードを並列につないだ誘導負荷の場合は、サイリスタ出力電圧零の状態では蓄積していた負荷中のエネルギーをダイオードを経て放電するので、負荷電流は連続して流れるが、出力電圧の波形は抵抗のみの負荷の場合と同じである。
(ii)誘導負荷の場合
図7・21に示すように、回路の抵抗の他にインダスタンスLをもった誘導負荷回路を整流出力端に接続する場合、位相制御角αと出力電圧及び負荷電流との関係は抵抗負荷の場合と大いに異っている。
インダクタンスLをもつ回路では、その回路中の電流が減少するように変化すると、インダクタンスLの保持していたエネルギーを放出して電流を流れ続かせるように働く。これはちょうどインダクタンスLに図中の矢印のELのような逆起電力が発生するとみなされ、したがって、整流器出力の電圧が負になっても、電流が流れ続けようとする。インダクタンス成分が余り大きくない場合には、電流が断続する現象を生じるが、インダクタンス成分が大

 

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図7・21誘導負荷時の三相半波サイリスタ整流器の直流出力波形

 

 

 

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